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SGH

【2019年度国際交流】

海外の高校との国際交流を行っています。 

2019年度
【マレーシア海外調査研修】
 
SGH事業の一環として、7月30日(火)から8月3日(土)まで3泊5日の日程で、生徒6名(男子6名)、引率教員2名で、マレーシアのボルネオ島クチン市へ渡航しました。クチン市は石油や天然ガス等のエネルギー資源が豊富で、マレーシア国内においても主要な産業都市の一つに挙げられます。日本と異なり自国でエネルギー資源をまかなうことができるため、我々日本人とは、エネルギーや環境問題に関する考え方のペースも異なるかもしれません。そのような中で、マレーシアの人々に自分のアイデアを発表し、意見交換を積極的に行うことは将来グローバルテクニカルリーダーを目指す本校の生徒にとって必要な資質であるといえます。

生徒は渡航前の事前研修において、国連の提唱するSDGs (Sustainable Development Goals) の取組みなどを参考に、エネルギーや環境問題について調べ、自分の提案をまとめたプレゼンテーションを作成しました。本研修では3回の研究発表が予定されており、生徒はマレーシアの人々が自分達の提案に対してどのような考えを持っているのか、楽しみ半分・緊張半分のなか出発しました。

 本研修の主な行程を以下に示します。

7月30日(火)成田空港よりクチン市へ移動
7月31日(水)AM:St. Thomas' Secondary School訪問
        ・現地生徒によるウェルカムセレモニー・キャンパスツアー
        ・授業に参加し,現地生徒への研究発表・意見交換
        ・ティータイムでの交流会
       PM:市内研修(サラワク博物館,モスク)
8月1日(木) AM:Kuching Science Secondary School訪問
        ・現地生徒によるウェルカムセレモニー
        ・本校生徒および現地生徒の研究発表・意見交換
        ・化学の授業(PHの測定に関する実験)に参加
        ・ランチタイムでの交流会
       PM:太陽誘電SARAWAK訪問
8月2日(金)University Malaysia Sarawak (UNIMAS:マレーシア大学)訪問
        ・大学スタッフによるキャンパスツアー
        ・太陽光発電に関するレクチャー
        ・工学部教授への研究発表
      クチン市内より成田空港へ移動
8月3日(土)成田空港到着、解散

生徒達は、最初は楽しみよりも緊張の方が勝っているような雰囲気でしたが,訪問先での交流や研究発表を経験していくにつれ,少しずつ自分の考え方や発言に自信を持ち始めてきました。また訪問先において,現地高校生達の積極的に交流しようとする姿勢にも大いに感化されたようでした。

派遣生徒の皆が現地で得た多くの経験や積極性が、今後学校全体に伝播することを願ってやみません。

 
【フィリピン海外調査研修】
 
 7/28〜8/2,SGH海外調査研修の一環として,フィリピン共和国を訪問,De La Salle University Integrated School (DLSU-IS) での国際交流事業に臨みました。本校とDLSU-ISとは,生徒を相互に派遣する国際交流協定を結んでおり,SGHの取組に協力頂いています。

 派遣生徒は,渡航中バディ宅にホームステイしました。初日は日曜日にもかかわらず,バディとその家族があたたかく迎えてくれました。私たち教員は,生徒を送り出した後,新しいMOU (Memorandum of Understanding) について話し合いを持つことが出来ました。
 2日目は,終日高校で過ごしました。7時過ぎからMorning Assemblyがあり,民族的な踊りで歓迎してくれました。私たちは自己紹介に続いて,弓道の型の披露および,私たち全員によるタガログ語の歌「Honey My Love」を熱唱しました。鳴り止まぬ歓声の中,歓迎の式典は大変な盛り上がりとなりました。
 この日は,今回の派遣の主な目的であるエネルギー・環境問題に対するプレゼンテーション(3クラスに分かれて配置)を通じて調査研修を行い,フィリピン生徒と意見交換をしました。エネルギー問題では,波力発電を提案し,日本から試作品を持参し,実演しました。また,環境問題では,食育に着目した提案,バナナの皮を利用した歯磨きなど環境に優しい取組をするという提案を発表し,賛同が得られました。この日の午後は同じキャンパス内にある企業研究室を訪問しました。日本でもゲームソフトで有名なUBISOFTの研究所も見学することが出来ました(写真4)。この日もすべての日程を消化した後で,MOUについて意見を交換しました。
 3日目は,マニラに行き,デ・ラ・サール大学と研究室,東工大マニラオフィス(写真5)などを訪問しました。これにより,ソーラーカーや電磁力の研究について学ぶことが出来ました。
 4日目は,ラグーナ州内にある風力発電所を見学しました。山の頂上にある施設で,見学者用のみに資料館が用意されています。わざわざ企業の担当者が山頂の施設で待っていてくださり,私たちのために講義をしていただきました(写真6)。この日は他にフィリピンで有名な画家の美術館に行き,偶然にも作者に会うことが出来ました。
 5日目はフリーディ。生徒はバディとその家族と過ごしました。
 6日目は,高校でFarewell Partyが催され,Sir Mon校長よりCertificateを頂き,研修終了となりました。

 フィリピンは,日本との関係が深く,しかも親日的です。今回の研修は,エネルギー・環境問題の討議が主たる目的でしたが,エネルギー問題では,以前よりも代替可能エネルギーへの関心が高まっているという実感が持てました。他方,環境の問題でも,積極的であり,ファストフード店におけるCSR活動のPRなど,国の雰囲気も変わりつつあるように感じました。

 社会課題の解決は,社会科学やそのベースにある人文科学による提案だけでは,説得できず,具体的な“モノ”を示すことが大切だと考えます。
 このことの有効性を本研修は証明してくれました。日本が置かれているグローバリゼーションという状態を基盤としながらも,自然科学の成果である科学技術をいかに結びつけていくか,本研究はSGHのゴールを考える上で有意義な研修であり,目的を達成できたと考えます。